ドッグトレーニング(犬のしつけ)

食べ物のご褒美を減らすために行う犬のトレーニング

犬のトレーニングの為の「トリーツ」

犬のトレーニングをする際に使われるご褒美がトリーツです。トリーツとは「楽しみ」です。食べ物だけではなく、楽しい事全般です。ですので、ドッグフードでもササミでもおもちゃでもボールでも、何でもトリーツになります。犬のトレーニングの際に使われるトリーツは、犬がそれを貰って喜ぶものなのです。

ただ一般的に、犬のより良い反応を引き出すために使われるトリーツは「食べ物」です。つまり、最も効果的なご褒美となります。当然の事ながら、お腹いっぱいの状態のときは、食べ物のご褒美はご褒美になりにくいので気をつけましょう。逆にお腹が空いている時は、犬のもの凄い集中力を生み出してくれます。

トリーツを使って出来る効率的な2つのトレーニング

その効果的なトリーツを使って、効率的に2つの事を教えることが出来ます。

  1. 指示の意味を教える
  2. 指示に従うと何が得られるのかを教える

食べ物を使って犬を物理的に誘導し、指示者の意図する動作を促し、さらに声やジェスチャーによる指示を被せることによって、その指示が示す意味(この指示の意味はこういう動作をすることなんだよ)を教えることが出来ます。

もう一つは、指示が示す動作を行えば、ご褒美として食べ物を貰えることを犬に認識させることが出来ます。

犬のトレーニングに食べ物を使う時の問題点

しかし、食べ物を使ったトレーニングにも問題点はあります。それは、トレーニングを行う人が食べ物に頼りすぎてしまうことです。

食べ物が無ければ自分の愛犬は指示に従わないように思えてくる為、それ無しには不安となってくることがあります。その不安な気持ちを犬は感じ取っているからか、食べ物無しでは指示に従わないようになることがあります。また、与えすぎるとその食べ物自体の価値が下がり(味に飽きてくるなど)、やはり指示に従わなくなることもあります。

犬に言うことを聞いてもらいたいからと言って、いつもいつも食べ物を持って歩きたくはないですよね。食べ物がなくても、犬が指示に従うようにするトレーニングが必要になります。

『1,指示の意味を教える』時、食べ物による誘導から別のものに置き換える

第1段階:フードルアーで誘導する

食べ物による誘導(通称:フードルアー)で、指示する側の意図する動きを促します。手に持った食べ物を口元に置きそのまま動かすと、それを追って犬は動きます。犬が追う理由はその食べ物を食べたいからなのですが、その「犬の欲」を利用して、オスワリやフセなどの動きを誘導し、動きそのものを覚えさせるトレーニングです。

ただしこのままでは、犬は食べ物なしには動いてくれません。そこで、食べ物を別のものに置き換えるトレーニングが次の段階となります。置き換えるものは【ハンドシグナル(手や腕の動き)での指示】と【声の指示】です。

第2段階:ハンドシグナルに置き換える

トレーナー(飼い主)は同じ動きを繰り返し行い覚えさせることを意識し、自分自身も同じ動きをして犬を誘導します。フードルアーによってトレーニングした行動は、回を重ねるにつれて身体が覚えていきます。さらに、犬はその時の指示者の動きを見ています。ですので、フードルアーである程度スムースな動きが出来るようになったら、手にご褒美を持たずに、持っていたときと同じ動きをしてみてください。恐らく、手にご褒美を持っていなくても、その手の動きを見て意図した動きをしてくれます。意図した動きをしてくれたら、そこでご褒美をあげます。このトレーニングを繰り返すことで、犬は指示者の手にご褒美がなくても、ある特定の動きをすればご褒美が貰えることを学びます。

第3段階:ハンドシグナルと声による指示に置き換える

ここまで来たら、次は声による指示を出します。例えば、「オスワリ」のハンドシグナルと共に「オスワリ」の声による指示を重ねます。指示に従ったらご褒美を与える。これを繰り返すことで、「オスワリ」の声の指示が「オスワリ」をする動作と繋がり(または繋がった時に)、犬は座ります。食べ物で誘導し座らせていたものを、声とハンドシグナルで座らせることに置き換えます。

第4段階:ハンドシグナルから声による指示のみに置き換える

もし声による指示のみで犬をコントロールするのであれば、ハンドシグナルをなくしていくトレーニングを行います。声による指示はそのままに、ハンドシグナル(手の動き)を徐々に小さくしていきながら指示を出すトレーニングを繰り返します。最終的に声による指示のみで、意図する反応を見せるようになります。

もし、声による指示に上手く反応しないのであれば、第3段階に戻ってトレーニングしてください。基本的に犬は、声よりも動きに反応しやすいと言われています。急がず、少しづつレベルアップしてトレーニングを行いましょう。

『2,指示に従うと食べ物が貰える』ことを知った犬を、食べ物なしで指示に従えるようにする

一般的に、食べ物のご褒美は犬にとって大変魅力的です。だからこそ犬のトレーニングで使うのですが、だからと言ってずっとそれに頼っていると、「魅力的なご褒美がないとうちの犬は言うことを聞かない」と不安が残るだけです。犬はご褒美に魅力がなくなると見向きもしなくなります。犬は賢い生き物です。新たなご褒美を期待してわざとやっているのかもしれませんね。

食べ物のご褒美を徐々に減らしていく

では、ご褒美としての食べ物を減らしていくためにやってみたいトレーニング方法です。ただし、残念ながら全ての犬に有効な方法とは言えません。犬種、年齢、生活環境、性格などの違いによって、トレーニング方法をアレンジすることが必要となります。そして、食べ物のご褒美は減らしていきますが、撫でて褒めてあげる、声で褒めてあげるなど、食べ物のご褒美に変わるご褒美を与える事を忘れてはいけません。

1,連続した動作を行う

トレーニングを始めて、最初にお座りをした時は大きなご褒美をあげる価値がありますが、何回も続けていくと「オスワリ」なんて簡単なものになります。簡単に出来ることに対して最初の頃と同じご褒美をあげていたのでは、犬はそれに満足してそれ以上は望みません。ですので、一つのご褒美でオスワリが1回出来るようになったら、少しレベルアップしたトレーニングを行ってみてください。

例えば、オスワリの後、自分がちょっと後ろに移動しながら自分の方に犬を呼んで、目の前に来たらまた「オスワリ」。出来たらご褒美。または2回のオスワリ成功につき1回のご褒美。3回に1回の成功でご褒美。もし、フセが出来るのであれば、オスワリーフセーオスワリのセットが成功してご褒美、などなど。

加えて、出来るならレベルアップをするごとにご褒美の量を徐々減らしていきます。より少ないご褒美で、多くのことを要求するようにします。そうしていく事で犬は、「どうしたらあの魅力的なご褒美が貰えるだろう?」と考えるようになり、多少長くても複雑でも、あの魅力的なご褒美の為に頑張って指示に従います。さらに犬は、指示者の手にご褒美があるからといって、いつもいつもそれが貰えるとは限らない、ということも学びます。

気をつけないといけなことは、一気にレベルアップしないことです。少しづつ少しづつレベルアップしていくことが、犬のトレーニングの基本です。

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2,待つ時間を挟み、そして徐々に長くする

「マテ」のトレーニング方法でもありますが、指示に従った後、待つ時間を間に挟み、そしてご褒美をあげる。最初は上手く出来たらすぐにご褒美をあげていましたが、次のステップとしてマテを挟み、ご褒美前に時間を作ります。

  1. 「オスワリ」を指示
  2. 犬がお座りをする
  3. 「マテ」を指示
  4. ◯秒後にご褒美をあげる

最初は1秒間の「マテ」からで構いません。徐々に時間を伸ばします。また、フセなどを既に出来るのであれば連続動作をする間に「マテ」を入れます。座って「マテ」伏せて「マテ」など変化もさせます。待つ時間も10秒、3秒、15秒などランダムに変えることによって、犬の先読みした行動を防ぎ、犬の集中力、忍耐力を鍛える事が出来ます。

3,高いレベルの要求に対して反応した時のみご褒美をあげる

より良い反応を示した時だけご褒美をあげるということです。ある程度の連続した動作(フセーマテーオスワリーマテーフセなど)が出来るようになったら、より高度な要求をし、それに反応した時だけご褒美をあげるようにします。例えば、全ての指示にスッと一瞬で反応した時だけご褒美をあげ、反応が遅れた場合はご褒美をあげない。その高度な要求の基準は指示を出す人によりますが、よっぽど良い反応を見せたときだけご褒美をあげるようにしていくと、犬も「なぜこれでは貰えないの?どうしたらご褒美が貰えるのか」と考え、より良い反応をしようとします。必然的に、食べ物のご褒美をあげる頻度は減ります。

4,日常生活の中でのご褒美

食べ物のご褒美に変わるご褒美を日常生活の中から見つけ、それらを与えることで食べ物のご褒美をなくしていきます。

特に周りの環境が気になる犬などは、家の中の静かな環境では食べ物によるご褒美は効果がありますが、一旦外に出ると周りの音や動きが気になって、食べ物のご褒美に集中出来なくなることがあります。相当長い動作を続けて行える・待てが出来るようになったら、食べ物に代わるご褒美を作りましょう。特定のおもちゃが大好きな犬であれば、トレーニングで良い反応を見せた後、「おもちゃで遊んでいいよ」というご褒美をあげる、などです。出来なければもちろんおもちゃはあげません。

気をつけないといけない事は、『相当長い動作を続けて行える・待てが出来るようになったら』という条件があります。「相当長い」の相当程度は指示を出す人の判断によりますが、まったく指示を聞かない状態の犬に、ご褒美で「大好きなおもちゃ(または、食べ物のご褒美以上に好きな物)」を与えていたら収拾つかなくなることがありますのでご注意ください。

しかしこれは、食べ物のご褒美に飽きてきた、そもそも食べ物のご褒美に興味がない、などの犬には有効な方法です。

最後に

先述した通り、これらの方法がどの犬にも適しているとは言えません。100頭の犬がいれば、100通りのトレーニング方法があると言われています。どのような方法にしても、その犬に合った方法を探し出し行うことが重要となります。

飼い主の指示に従う最初のきっかけは、『食べ物のご褒美がほしいから従う』だったかもしれませんが、それを『飼い主の指示だから従う』『飼い主に褒められたいから従う』に変化させるトレーニング方法です。ただし、”撫でられること”や”そうだ!”などの言葉だけで犬が十分満足し、それが食べ物や他のご褒美に変わるご褒美になるには、かなり強固な飼い主と犬との関係が必要となります。

飼い主と犬との強固な関係構築を目指すことは、今後の犬との生活にマイナスになることではありません。様々なトレーニングを適切に楽しく継続して行うことで、強力な関係が構築されていくものです。頑張ってみてはいかがでしょうか。


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